1. アベレージ60点を目指す
わざと手を抜いてみる
まずは完全主義を捨て、がんばりすぎないことを心がけてみよう。しかし根っから真面目な人がいきなり100%力を抜くことは難しい。
そこで試してみてほしいのが、「2割だけ手を抜いてみる」ということだ。前出の西多氏は、「仕事のできる人は、みんな『腹八分目』ならぬ『がんばり八分目』」だと言う。
「人間は常に10割の力を発揮し続けることなど不可能。8割くらいの力で留めておいて、余力を2割残しておく。これが長期にわたって活躍する人に共通するスタイルです」
一方、心理学者の内藤誼人氏は、「目標は60点でいい」と言う。
「なぜ60点かというと、半分の50点よりは上だから。50点を下回るのはさすがにまずいけれど、60点以上ならまあOK。ちゃんと及第点なのだから、そのあたりを目指せばいいんです」
そういえば、優秀な女性がこう愚痴っていたことがある。自分はいつも仕事で80点くらいの結果を出しているのに、たまに60点を取ると、すごく責められる。一方で、いつも40点の人が、たまに60点を取るとすごくほめられる。なんだか納得できないんですよね……。
「そういう人、いますね。それは戦略を間違えてしまったんです」
と内藤氏は指摘する。
「優等生にありがちなのですが、最初に目一杯ハードルを上げてしまうと、その後もずっとそれを維持し続ける羽目になってしまう。そうなることを避けるには、最初から100の力を出さないことです」
真面目な人はもともと競争意識も高いので、どの分野でもまんべんなく努力しようとする。しかしそれでは疲れてしまい、無理が生じる。
「満点を目指すのはせいぜい一教科。あとは平均点でよしとする。力を入れるところと、そうでないところのメリハリをつけるようにすると、気が楽になりますよ」(内藤氏)