互いを理解できれば効率的に働ける
メンバーの相互理解は信頼に不可欠であり、信頼はアイデアや情報の流れに不可欠だ。チームが結成されたら、まず、メンバーの紹介と交流のための時間を組み込んだスタート・ミーティングを開くべきだ。メンバーは、チームの目標を設定し、共通の成功イメージを築く作業を始めながら、互いを知ることができる。
仕事の進捗状況を報告したり、個人の意見を発表したりする時間を会議の冒頭で5分ほどとるようにしよう。「互いをよく知っているチームのほうが、効率が高かったし、達成した仕事の量も多かった」とドリュスカットは述べている。
もっと公式の仕組みを使ったチームもある。たとえば、企業の会計処理や財務報告の正確性と透明性の向上を目的とするサーベンス・オクスリー法(SOX法)の適用初年度に、新しいリーダーの下で同法の遵守を達成するという任務を課せられたゼロックス・カナダの会計チームである。メンバーのスキルや経験を全員に知らせるため、週次会議でメンバーが順番に過去の成功経験や自分が学んだ教訓を披露した。財務分野での経験がなく他のメンバーから見くびられていたメンバーは、以前の顧客に特定サービスを提供するための社内の駆け引きをやり遂げた経験を語った。
この経験を聞いたチームメートは、彼女が提供できる価値に気づいたとゼロックス・カナダの内部統制担当マネジャー、デニーズ・ホルムズは言う。コンプライアンスを達成するということは、経営者に代わって多くの追加作業を行うということである。彼女の経験は、他のメンバーの信頼を高め、もともとあったチームの自己イメージを強化したのである。