目の上のたんこぶ、古参社員の扱い

先代社長の部下として長年働いてきた古参社員との付き合い方というのは、新社長として非常に悩むところだろう。しかし、後継者にとって年上社員というのは絶対に出てくるものである。その関係性の築き方によっては、古参社員の存在が地雷となり得ることがあると心にとどめておいてもらいたい。

目の上のたんこぶのような存在に感じている後継者もいるかもしれないが、古くからいる社員は会社を支え続けてきてくれた大切な存在だ。後継者が古参社員に対してぞんざいな扱いをしているようではいけないし、腫れ物に触るようなギクシャクした関係も望ましいとは言えない。

新社長と古参社員が良好な関係を築いている会社はいくつもある。年上の古参社員が、ときに番頭的な立ち回りをしてくれたり、ときにこっそりと助言をしてくれる存在にもなっている。社長に就いたばかりの頃ほど、そうしてさりげなくフォローしてくれるような古参社員の存在はありがたいものだろう。

後継社長は、古参社員には重要な報告はいの一番にするほうがいいだろう。良い報告も悪い報告も、「このようなことがありました」と話す。対処が難しい問題なら相談することも当然必要になってくる。古参社員に頼り切って依存するようなことではいけないが、まったく当てにしていないような間柄も考えたほうがいい。

実は、そうした細かい配慮をすることが相手を立てることになる。古参社員に、「そんな重要なこと、私は聞いていません」なんて言われてしまうようなことがあれば、塩梅が悪いだろう。そんなことが続いて、「新社長は自分を信用していない」「蔑ろにされているように感じる」と思われてしまっては、関係性は徐々に悪化してきてしまうので、意識して報告することを心がけてもらいたい。

会社にとって必要な古参社員に対しては、定年になってからも再雇用などをしている会社が増えてきている。ただ、基本的に古参社員というのは自分より年上なので、定年が早くに訪れる。そのときに、どれだけ報いることができるかも重要だ。ここで揉める会社も実は多くある。特に退職金について一悶着あったような話は、決して珍しいことではない。

退職間際の最後の最後に騒動になってしまったりすると、その人にも人脈があるので、他の会社に知られたり、業界で噂になったりすることがある。「あそこの会社、退職金絡みで揉めているらしいよ」といったことは、すぐに噂になりやすい。噂話にはいつしか創作も加わって、どんどん話が大きくなったうえに、それが広範囲に広がってしまうと会社にも影響が出てくる可能性がある。

知り合いの会社や取り引き先に、ファックスで怪文書が出回ったケースが何社かあった。会社に限らず、コンサルタントでもあることだ。揉めて二分して、どちらが元祖だ、真祖だとこじれるところがあるが、そういう場合も注意が必要だ。

男の嫉妬や執念というのは、ときに女のそれよりも怖いものがある。大きなトラブルに発展するようなことがないように、まずはしっかりと古参社員との関係を日頃から深めていくべきだ。