ボランティア活動やイベント企画もやりました
どうやらギフティッドにはアントレプレナーとしての能力と同時に、こうした積極性も重視されるらしい。そしてカナダの学校には、生徒が主体的に内容を考える授業やイベントが山のようにあるらしいのだ。
「Show & Tell やPoetry Recital(小道具を使いながら詩を朗読する)があったり、スピーチコンテストやドラマ(劇)の授業があったり、カナダの学校は毎日が文化祭みたいな感じです。地域でのボランティア活動も盛んで、翔は図書館で小学生に英語を教えるメンターになったり、シニアにコンピュータの操作を教えるボランティアをやったりしていました」(栄美子さん)
これ以外にも翔君は学内外を問わず、自らイベントを企画して周囲の人を楽しませ、地域に貢献することをたくさん実践してきている。こうした実績を聞いてみると、翔君の言う「自ら興味を持っていろいろな情報を集めて、そこから何かを創造する人」というギフティッドの定義に納得がいく。
では、ギフティッドに登録されると、その先にいったい何が待っているのだろうか。
翔君によると、ギフティッドのプログラムは登録された生徒だけが教育委員会に集められて行われるものが多い。内容は特訓といった類いのものではなく、知的好奇心を刺激するものといった方がいいようだ。
「シェークスピアの『お気に召すまま』を400年前に書かれたままの原文で読んで、それを劇にしてみたり、嘘発見器を作ってみたり。大学の先生が来て法医学や素粒子物理学やコンピュータサイエンスなんかの話をしてくれたり。ギフティッドのプログラムはとても面白かったですね」(翔君)