「共通の価値観」と「多様性」のバランス
面接では、専門性や実績のほか、採用する人材のコア・コンピテンシーを評価しています。これが共通の評価項目であり価値観であることを入社前の段階で候補者に理解をしてもらうので、のちのち何かが違うといったズレもうまれません。
会社設立当初、良い人材だと思って即断で採用をしたら、大変な思いをする羽目になったこともあります。同じ失敗をしないように面接期間を長くしたら、長くなりすぎて他社からのオファーを受けてしまうなど然るべきタイミングに採用できなかったこともあります。こういう試行錯誤の末、今のプロセスに落ち着きました。 じっくりと時間をかけて考え抜いたコア・コンピテンシーだからこそ、社員みんなが覚えやすいように社名のアルファベット(ACUCELA)にあてはめるという工夫をしたわけです。
A = Adaptive 適応力
C = Curiosity 好奇心
U = Unique 独創性
C = Collaborative 協調性
E = Excellence エクセレンス(いい加減ではなく、絶えず最高の結果を求める態度)
L = Long-Term 長期的な視点
A = Accountability 高い責任感
毎年、このコア・コンピテンシーを基に人事査定を行い、適応力という点でどういうことをこの一年で実践したのか、どんな新しいことに挑戦して、その結果、何を学んだのかなど、それぞれを何段階かで評価しています。
たとえシニアなポジションの社員でも、その人が何を知っていて、何を新たに学ぶ姿勢でいるのかは必ず聞くことにしています。逆に、自分は経験が豊かで専門的な知識も深いから、どんなことも難なくやり遂げることができると自負する人物は要注意だと考えます。できることと、できないことを認識して、できないことは新たに学ぶことをいとわない、好奇心が旺盛な人材を、我々は求めているからです。
共通の価値観さえ共有できていれば、それ以外は年齢も、性別も、教育の背景などもなるべく多様であるほうが、イノベーションを起こすためには良いと考えています。