資格奨励・支援しない企業の言い分

一方、会社が資格取得を奨励・支援する会社に対し【Q1】で「b:いいえ=奨励しない」としたのは、外資系と新興のベンチャー企業が大半でした。

欧米企業のエグゼクティブは、全体の3%程度といわれます。つまり、1万人の会社なら300人しかいません。日本企業の管理職は3割前後が平均。欧米企業には、部下がいないのに肩書は「課長代理」などという人はいないのです。

欧米企業は職務専門家集団です。例えば、米国公認会計士の資格をもっていることが、最初から採用要件になります。学卒一括採用は日本と韓国だけで、欧米では既にできている人が入社します。採用は部門長が決め、人事部は募集などの調整をするだけ。そんな風土が「日本支社」にもあるから、特に社員に資格取得を奨励しないのでしょう。

また、伸び盛りの日本のベンチャーでは、肩書きの上の人から下の人まで、いまあるプロジェクトに一丸となっていて、社員が資格を取るといった発想そのものが希薄なのかもしれません。

次回、会社の本音に迫る形でもっと深く分析していきましょう。

<第1回の結論>
87%の企業が社員の資格取得を奨励し、その大半は何らかの支援を行っている。

【アンケートにご協力・ご回答いただいた企業(順不同)】丸紅/帝人/大和ハウス工業/三菱東京UFJ銀行/ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社/ミツバ/三井住友海上火災/キリン/パナソニック/オリックス/双日/富士ゼロックス/三菱重工業/サイバーエージェント/積水ハウス/トヨタ自動車/ブリヂストン/NEC/カルビー/ぐるなび/アサヒグループホールディングス/ユニ・チャーム/ローソン/住友電気工業/新栄不動産ビジネス/三井住友銀行/川崎重工業/キヤノン電子/ニトリホールディングス/クレディセゾン/クラシエホールディングス/ダイキン工業/デンソー/マツダ/サントリーホールディングス/ヤマトホールディングス/京セラ/京王プラザホテル/みずほフィナンシャルグループ/このほか、食品、生保、精密、鉄道、ホテルチェーン、化学、電機、不動産、機械など15社。合計54社。