「大事なのは、自分が困ったときに教えてくれたり助けてくれたりする人脈をふだんから構築しておくということです。社内外の同僚、知人、友人の興味対象などを雑談の中からしっかりヒアリングして、その後に自分が知りえたその分野の耳より情報をさりげなく提供するのです」(カーツメディアワークス代表取締役社長 村上 崇氏)
決して恩着せがましくしてはいけない。基本、ギブ&ギブで見返りを求めない心がけが、イザというときの協力者を増やすコツだと村上氏は語る。
何でも屋になるより、自分もひとつだけでいいから人に負けない「専門」とする分野を持っておくべきなのだ。
一方、社内の同僚などメンバーの仕事を「見える化」する仕組みが、他人活用につながることがある、と言うのは有川氏である。
「ホワイトボードやパソコンの中で、メンバーのスケジュールを共有しておくと、『Aさんが◯◯方面に外出するなら、ついでにあの用事を頼もう』などとお願いすることもできます」
吉山氏は先日、最近のモバイル向けプラットホームをつくったある新進企業(2012年末にマザーズ上場)のオフィスを訪ねた。急成長のコンテンツ企業のこと、きっとデジタルのツールやアプリを駆使した時間管理術にちがいないと思っていたら、さにあらず。超アナログ管理だったという。
「ホワイトボードに社員の名前が書かれ、それぞれの“処理”“未処理”の欄に仕事の案件を記入した付箋がペタペタ貼られていただけでした。それを見れば、他社員の動向が一目瞭然であるとともに、似た案件を抱えている人同士で共同作業し、シナジー効果を生み出せるのです。ホワイトボードは職場内でのコミュニケーションツールにもなっていましたね」(吉山氏)
社内の人材活用が時短の鍵なのだ。
吉山勇樹
年間200日を超える企業・団体での研修・講演を。2013年1月に『シゴトダイエットのススメ』を刊行。
有川真由美
化粧品会社、塾講師など多くの職業経験を生かした「働き方」のアドバイスに定評。著書に『仕事ができて、なぜか運もいい人の習慣』など。
村上 崇
クラウド系の情報収集・整理術に精通している。最新刊『ダンドリ上手になる技術』では便利なアプリも紹介。