アピール力で新企画の女王に

さらに、強みをアピールし続けよう。それによって、弱みはどうでもいいことになるかもしれない。バッキンガムが挙げるのは、新しいプロジェクトやシステムを立ち上げるのは楽しいが、プロジェクト維持の仕事は退屈だと思っていたAT&Tの幹部の例だ。彼女は先に控える新プロジェクトや企画を尋ね回っては、進んで参加するという行動を取り続けた。その手法がきわめて上手くいったので、彼女の上司は、彼女が18カ月ごとに新しいプロジェクトを渡り歩く形でキャリアを築いていくことに同意した。今日、彼女は「新規プロジェクトの女王」と呼ばれているとバッキンガムは述べる。

自分の弱みは、強みを生かすための手段であるととらえ直すことも大切だ。たとえば、デザイン説明会は大嫌いだけれど、クライアントの力になるのが好きだという人の場合、説明会はクライアントをより効果的に手助けするための手段と考える努力をするとよい。「弱みは強みに変わることはないが、こうすることで弱みによる消耗を小さくしてくれる」と、バッキンガムは言う。

完璧な仕事はないという事実も受け入れよう。どんな職務にも、自分を消耗させるが、避けては通れない活動が含まれているものだ。弱みとする活動に使う時間を最小限に抑えることを目指そう。

自分の強みを実績への促進要因に変えるには時間がかかる。じっくり考えながら、自分の職責を必要に応じて変える勇気も必要だ。が、やるだけの価値はある。仕事時間の大部分を、自分の奥に眠る情熱を引き出す活動に使うことは、自分にとっても組織にとっても利益になることなのだから。

(翻訳=ディプロマット)