同時に、「家族にとっても入院している高齢者とすぐに繋がる環境は安心するでしょう。病院の中はブラックボックスと言われますが、その不安を取り除いてあげられる」と松浦理事長は、情報機器の活用を強く支持した。

旅先や出張先から、入院している高齢者と会話できる。あるいは、家族の居住地が離れている場合でも、すぐに繋がることができるというのは、入院患者のおかれている立場が大きく変わる夢のような話だ。個人情報の扱いという問題があるが、入院患者とその家族としっかりコミュニケーションをとることによって理解は得られるだろう。

iPadを使った双方向のコミュニケーションツールを販売する、ゆみのコーポレーションの難波澄子社長。今後、病院・介護施設のあり方も変えていく可能性があるという。

「今後は、通信機能に電子カルテや介護業務の情報記録機能も加えるなどシステムの向上が求められはずです。誰もがタッチパネルで使いやすい機能を開発していきたいですね」と難波社長もシステムのさらなる向上を目指している。

具体的には医療、介護現場で活用できる情報システムの開発だ。業務中に記録を書き込む時間はなかなかとれない。仕事の後に記入しようとしても、記入漏れが発生する。結果的に、正確な記録が残らない、あるいは、介護報酬の請求漏れも起こる。こうしたことが起きないように、簡単な操作で入力できる端末のシステム開発に乗り出している。

(和田久士=撮影)
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