「私たちの会社はIT企業であることと、外資系なので韓国人など外国人が多いことが特徴です。外国人とのコミュニケーションで大事なことは、内容に誤解がないようわかりやすく伝えることです。日本人同士だと遠まわしな表現を使うことがありますね。外国人にはそれが通じません。こちらは気を使ったつもりなのに、受け手の外国人には『この人は何を伝えたいのかわからない』とか、悪くすると『ウソをついているのではないか』と思われてしまいます」
つまり、誤解の余地がないように婉曲表現を避けるということだ。また、件名欄を使うのは、素早い判断が必要とされる業界なので本文を読まなくてもわかるようにするためだ。
ただ、そうすると、きつい物言いになってしまうことも少なくない。
だから「相手を傷つけそうなときは、あえて顔文字を使ったり、カッコの中に『笑』『汗』と入れたりしています」と森川氏。
効率を追い求めるなら、結論だけをストレートに書けばよい。しかし受け手は人間である。あまりに簡素な文面では、自分が軽んじられているように感じるだろう。
「本人にとっては重い案件だけど、経営者にとっては一瞬で意思決定できる案件だというケースはよくあります。そのときに、経営者の側が『これは考えた末の決定なんだよ』ということを見せてあげるのです」
気楽に書いているように見えて、実は深い配慮がかくされているのだ。