どう書けばいいか。

まずは簡潔で、わかりやすいことが大事である。しかし、それだけでは「合格点」はとれない。

メールは一方的な命令とは違い、あくまでも個人対個人のコミュニケーションである。時間がないからといって、用件のみを命令調で書き送ったとしたらどうだろう。受け手の気持ちはささくれ立ち、書き手の意図とは関係なく、無用な反発を招いてしまうおそれもあるのだ。

したがって、たとえ数行のメールであっても、表現には細心の注意を払わねばならない。

それでは、短時間に少ない手間で書くことができ、相手の気持ちを傷つけず、できれば進んで協力したいと思わせる――。そのようなメールの書き方はあるのだろうか。

ようやく定着したばかりのビジネスメールにはまだ「作法」と呼べるようなものはない。

そこで今回、われわれは特別なメールのノウハウを持つ経営者、秘書、メール専門家らへの取材をもとに、多忙なビジネスマンが応用すべきメールの作法を模索した。

以下、場面別に具体的な例に踏み込んでいこう。