【田原】三木谷さんも中国で失敗しています。中国はどこが難しいのですか。

【前澤】淘宝(タオバオ)さんが強いんです。物の集まり方もすごいし、お金のかけ方もすごくて、同じものなのに桁が違うぐらい安い。

【田原】国内も海外もこのままいける?

【前澤】物を売るのはすごく難しいことなので、いろいろと考えています。例えば、昨年、「WEAR」というサービスをスタートさせたのですが、これを世界に広げていければいいなと。

【田原】WEARはスマートフォンのサービスですね。資料を読んだけど、僕にはよくわからなかった。どういうものなのか、教えてもらえますか。

【前澤】例えば、「今日は何の服を着ていこうか」と迷うことがありますよね。だけど、そんなとき、WEARで「ネクタイ 黄色」と入れて検索すると、黄色のネクタイを使ったたくさんのコーディネートが出てきて、参考にできるというサービスです。料理のクックパッドに「ネギ」と入れてレシピを調べるのと同じ感覚です。

【田原】ネクタイじゃなく、シャツから調べたりもできる?

【前澤】ええ、何でも大丈夫です。ブランド名でもいいし、「初詣で」「ハロウィン」のようにテーマで検索もできます。あと、アイテム指定も可能。例えば今日どこかの洋服屋さんで買ったアイテムを入れると、そのアイテムを着ている人たちがバーッと出てきます。

【田原】便利そうだけど、資料には、ほとんどのデパートがWEARを拒否していると書いてあった。これも意味がわからなかった。どういうこと?

【前澤】WEARはどこでも使えるサービスで、「どこでも」の中には「洋服屋さんの店頭」も入ります。だから店頭で「このアイテム、どう着こなしたらいいかな」と迷ったら、その場で商品タグのバーコードを読み込み、着こなし例を見るという使い方もできます。ただ、なかには店頭でアイテムの読み込みだけをして、家に帰ってじっくり検討してZOZOTOWNで買うというお客様もいます。お店側からすると、そんな使い方は自分の店がショールーム扱いされているようで愉快じゃない。それが今、問題になっていまして……。