東京五輪が開催される7年後、6割強が女性の管理職が増えるという回答(図10)。実現するかは「評価制度しだい」と石倉氏は見る。
「育休などいくら制度を充実させても、上司がただ長時間働く部下を好むようでは意味がありません。世界最長の残業時間をどうにかしなければダメ」
7年後の英語の必要性を尋ねた問いには7割近くがもっと必要になると答え、中国語の必要性を大きく引き離す(図11)。石倉氏は疑問を投げる。
「30年前から英語が大事、英語が世界のデファクトだと言われ続けてきたのですが、そう言っているだけで、行動が変わりませんね。英語ができれば、ネットで膨大な情報が得られるし、海外の人と直接コンタクトも取れるので世界がぐっと広がるのは事実ですが、将来は中国語の力が増すかもしれません」
言葉は道具なので、使い方を習ったら、後は使っているうちにうまくなるもの、と石倉氏は助言する。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授。専門は組織行動学。1973年慶應義塾大学工学部管理工学科卒業、78年同大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学。84年ハーバード・ビジネス・スクール博士課程修了。94年より現職。
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。1980年バージニア・ビジネス・スクールにて経営学修士、85年ハーバード・ビジネス・スクールにて経営学博士取得。マッキンゼーなどを経て2011年より現職。