株高、円高是正、2020年東京五輪決定……。社会、経済ともに明るい光が差し込むなか、ビジネスマンの働き方、生き方はどうなるのか。プレジデント誌定期購読者へのアンケート調査を基に、進むべき道を3人の識者に聞いた。
調査概要/2013年11月に、プレジデント誌定期購読者に対してウェブによる調査を実施、2442人より回答を得た。
社内での役職が上がるほど仕事に自信を持つ比率が上がる(図1)。慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授の高木晴夫氏は「ポジションと自信の間にはプラスのスパイラル関係がある」と分析する。
「ひとつの仕事がうまくいくと、それを上司が観ていてもっと大きな仕事を任せたり、育成しようとします。それで業績を上げれば仕事に自信を持ち、また好業績につながって昇進昇格する。好循環に恵まれたポジティブな異動の末、役職者になると考えられます」
業績を出してくれる人には仕事を任せるが、失敗しそうな人には仕事を出さないと鮮明に二極化していく。それを色濃く映す結果が、目標としたい上司と失脚してほしい上司が半々程度いるという回答だ(図2)。
愛社精神もまた出世とともに高まる(図3)。ポジティブな異動の恩恵を受ける上位者は当然だろうが、一転、若手が多いと予想される一般社員では2割を切る。
「就活中の学生を見ていると、その会社が好きで回っているというよりは、有名企業の看板と充実した教育制度にひかれているように思います。彼らの多くは生涯その会社で働くことを希望していますが、確実性のない時代ですから転職を考えたときに企業のネームバリューと身につくスキルを重視するのです」(高木氏)
企業がポジティブ人事とネガティブ人事をドライに使い分けるなら、社員は個人として対抗するしかないと若手は会社を冷めた目で見る。