ここで終わってはいけないのが、住宅ローンの交渉である。それまで交渉して希望額が出なかった銀行に、「よそでこういう条件で借りられることになった」というのである。そうすると、銀行の担当者も「ちょっと待ってください、うちも検討してみます」ということになり、結果、6000万円貸してくれる銀行が何行も現れた。ある都銀の担当者がギリギリまで社内調整してくれて、「すみません。うちの力ではこれが精一杯です。これで負けたら仕方ないです」と言ってくれた。ギリギリまでがんばってくれたことに感謝した(そこでは借りなかったが)。
2012年に仕事で住宅ローンの見直しの原稿を書いていて、ふと思い立ち、わが家の住宅ローンの試算をしてみた。自分で想定してやったシミュレーション結果は、目を疑うような内容だった。そこで、図のような住宅ローンの見直しを行った。300万円を繰り上げ返済して、元金均等方式から元利均等方式に返済方法を変え、月々の返済額を1万円増やして、金利交渉(現在借りている銀行に交渉して、金利を下げてもらうこと)をして、10年固定2.75%(4年ほど経過)からさらに新しく10年固定1.5%に金利を下げてもらった結果、図のように返済期間が11年4カ月短縮され、支払う利息も1320万円少なくなった(返済期間中は金利が変わらないと仮定してのシミュレーション)。
このとき金利交渉ははじめてだったが、「いろいろと条件変更をしてもらって、自分の理想の住宅ローンに近づいたのですが、金利をもう少し何とかしてもらうわけにはいきませんか?」と交渉した。担当者もこちらの交渉内容を理解してくれて、社内で調整し、納得できる金利を1回で提示してくれた。できる銀行マンに感謝である。
住宅ローンは、まず借りるときにできるだけ利子を減らして有利に組むこと、そして借りている途中にさらに有利に返せるようにメンテナンスしていくことで、驚くほど家計への影響が変わってくる。ぜひ、読者諸氏も行動されるよう、お勧めする。