交渉次第で金利が下がることを実感したのは、最初のマンションを購入して7年ほどたち、借り換えをしたときだ。金融機関に勤めていたこともあり、住宅ローンの知識はそこそこあったから、10行以上の銀行を回って借り換えの交渉をした。

最初はうちの条件(収入状況のわかる源泉徴収票、確定申告書や不動産の売買契約書などの書類を提出する)を提示して、借りたい条件(金利タイプ、返済方式、返済期間など)で借り換えの試算をしてもらう。金利の優遇幅や返済期間の融通などに関して、どこまで要望に応えてくれるかをリサーチする。ここまでが基本調査。そこで金利や返済期間、借換手数料、独自に計算した完済までの総コストを表にして徹底比較をする。そして次が交渉だ。トップレベルの条件を出してくれた3~4行に、「他行ではこういう条件で借り換えできるらしいんですが、お宅の場合はどうですか?」と交渉するのだ。

新規でローンを組むときも、借り換えのときも、住宅ローンで相見積もりをとる客は少ないらしい。「この条件で借りられますよ」と一つの銀行が融資OKを出すと、そのまま借りるおとなしい客が大半だ。銀行は提示した条件のまま借りてくれるのが普通だと思っている。

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主な銀行の全期間優遇型の住宅ローン金利

しかし、相見積もりをとって交渉してみると、いろいろな条件が変わってくることがわかる。一番変わりやすいのは金利だ。表のように各行の表示金利にはバラつきがあるが、他行よりも低い金利を出そうと思ってくれるので、交渉次第では窓口やホームページの表示金利よりも下がる場合がある。交渉して下がるのなら、ダメモトでも交渉しないとソンだ。ただし、銀行も商売なので、顧客の職業や収入の安定度と、いざというときに担保になる不動産の状況などを見て判断しているようである。

マンションのローンを11年で完済した後に、土地を買って家を建てた。今度は、土地代も込みだから6000万円と高額なローンだ。しかも、このときは夫婦ともフリーの自営業者になっていて不利だ。最初は土地代も貸してもらえないような審査結果で、「これは土地購入も無理かなぁ」と思ったこともある。しかし、審査の厳しい都銀はやめて、自営業者に理解のある地銀、信金に交渉した。いろいろと条件は付けられたものの、交渉するうちにこちらの希望額を貸してくれる銀行が現れた。