元を取ろうとしてはいけない

病気やケガで手術したり入院すると給付金が受け取れる「医療保険」。

「出費を貯蓄でまかなえる人は入らなくてもいいでしょう。でも病気に備えて別枠で100万円単位のお金を常に用意しておくのは大変ですよね」(松浦さん)。だから毎月少額の保険料で大きな給付が受けられる医療保険が人気なのだが、元を取る(払った保険料以上の給付金を受け取る)ことは「確率的に無理」(松浦さん)と割り切って利用しよう。そこを理解していないと「病気になって手術を受けたのに給付金が少なかった」と不満を抱くことになる。

医療保険選びのポイントは保険料の払込期間と保障期間。保険料を終身払いにすると年金の中から保険料を払うことになり老後の家計を圧迫する。逆に保障期間が終身でない場合、病気やケガの確率が高くなる高齢者になったときに使えないことになる。

オリックス生命「医療保険CURE」は更新がないため3905円の保険料が一生涯上がらない。7大生活習慣病で入院すると1入院の保障日数が60日から120日に拡大されたり、公的医療保険の対象にならない先進医療の技術料を同額保障するなど、手厚い保障も人気だ。

NKSJひまわり生命「健康のお守り」は日帰り入院や手術にかかる費用、先進医療の技術料も終身で保障。保険料は「だんだん割」を付加すると、3851円の保険料が5年ごとに10%ずつ安くなり、最大50%割引になる。

アメリカンファミリー生命の「新EVER」は日帰り入院も保障。先進医療特約をつけることもできる。ベースプランの保険料は3950円だが、通院治療も保障するスタンダードプランでは4736円になる。

「男性、女性ともに、おおよそ2人に1人が一生のうちにがんと診断される」(がん研究振興財団「がんの統計'11」)という。そのがんに備える保険が「がん保険」だ。各社とも主力商品に据えて保障内容を競っているが、「がんの治療方法がどんどん変わっていて、入院せずに通院で治すケースが増えている。そのため入院給付金よりも診断給付金を主契約にした保険のほうが利用しやすいと思います」(松浦さん)。