――憲法改正の実際の作業に入ることと集団的自衛権の問題は切り離して、と考えているのですか。

【菅】それは切り離して考えるべきだと思います。

――安倍首相とオバマ大統領の関係がぎくしゃくしているのでは、と疑う人がいます。この10カ月で日米の絆は強くなっていますか。

【菅】もともとオバマ大統領は、誰に対してもビジネスライクなんだそうですが、関係は間違いなく良くなっています。

2月の日米首脳会談はうまくいったと思いますが、6月のロンドン・サミットでは会談ができなかった。9月5日からのロシアのサンクトペテルブルクでのG20サミット前の電話会談で、総理はシリア問題について「まずは国際社会で議論するのが先ではないか」と日本の考えを明快に主張しました。

結果的に米国側から首脳会談をやろうと言ってきました。その後、国連決議が成立しました。オバマ大統領は議会で説明するとき、「先進国の首脳からも理解をもらっている」と言って、真っ先に安倍総理の名前を挙げたそうです。オバマ大統領にとっては大きな試練だったと思います。同盟国の日本が大切だと考えたのではないでしょうか。

内閣官房長官 菅 義偉
1948年、秋田県生まれ。高校卒業後上京し就職。法政大学卒。代議士秘書、横浜市議を経て、96年衆議院選挙で初当選。以後6期連続小選挙区当選。元総務大臣。大臣当時にふるさと納税を創設。現在、内閣官房長官。著書に『政治家の覚悟』。
(塩田 潮=インタビュー・構成 澁谷高晴=撮影 時事通信フォト=写真)
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