自分とあまりにも金銭感覚が違う相手との結婚はあきらめるべきなのか。菅義偉首相は、「結婚生活という人生の長期戦略について、忌憚なく話し合うことができるかどうかがポイントだ」という――。

※本稿は、別冊プレジデントムック『第99代総理大臣 菅義偉の人生相談』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

臨時国会召集に当たり記者団の取材に応じる菅義偉首相=2020年10月26日、首相官邸
写真=時事通信フォト
臨時国会召集に当たり記者団の取材に応じる菅義偉首相=2020年10月26日、首相官邸

「結婚後に切り替えができるか」の見極めが大事

菅義偉です。さて、今回のお悩みです。

彼女と金銭感覚が合いません。僕はデートのときでも食事は手軽に済ませたいのですが、彼女は「せっかくのデートなんだからもっといいお店に行きたい」と言います。僕だって誕生日やクリスマスはそれなりにいい店を予約しており、デートでも「日常」の食事は簡単でいいじゃないかと思うのですが……。
彼女とは結婚も考えているのですが、金遣いに関しては不安だらけ。「結婚したらお金を自由に使えないんだから、今は好きにやりたい」というのが彼女の考えです。でも僕は今から貯金すべきだと思っています。これでは結婚生活は難しいでしょうか。(20代男性・学生・静岡県)

金銭感覚は人生観を反映するといいます。「ここまで金銭感覚が違うのなら、人生観もきっと違うのだろう。まだ学生なのだし、今後いろいろな出会いもあるだろうから、今の彼女にこだわる必要はないのでは」という答えが一番シンプルかもしれません。

しかし、あなたは彼女との結婚を真剣に考えているからこそ、こうして相談してこられている。それだけ彼女を大事に思い、ともに歩んでいきたいとお考えなのでしょう。お悩みをどう乗り越えていけばいいか、一緒に考えてみましょう。

確かに現時点では、金銭感覚にやや隔たりがあるようです。お金にルーズな人は、たいていの場合いつまでもルーズなままです。ただ彼女の場合、「結婚後はそれまでのように自由にお金を使えない」との考えはお持ちとのこと。彼女が結婚後に、その言葉通りの切り替えができるかどうか。その見極めが重要です。