人生という「共同事業」の長期戦略を話し合ってみる
現時点で、趣味などへの投資は惜しまなくても、それ以外の無駄な出費は抑えているというようなメリハリがつけられているのであれば、結婚後の切り替えもできると判断していいはずです。
そもそも、結婚を「めでたくゴールイン」と表現する人がいますが、私は結婚自体はゴールでも最終目的地でもないと思っています。二人にとっては、結婚に至るプロセスも、また結婚後の人生設計も、どちらも同じくらい大事なものです。これらの時間も含め、今後の二人の長い人生という「共同事業」の長期戦略を話し合ってみることが大事なのではないでしょうか。
長期戦略というからには、家族計画、趣味、仕事などあらゆる要素をいったん議論のテーブルに載せて、忌憚なく話し合う必要があります。その過程で、お互いの人生観についても理解が深まるでしょうし、あなたが気になっている金銭感覚についても彼女の真意を見極めて、二人が納得できる形で解決できるかもしれません。
結婚が具体的に近づいてきた段階になれば、家賃などの固定費、食費や交際費、趣味への出費などを具体的にあげて、結婚生活の資金を可視化していくことも、金銭感覚の「すり合わせ」をするうえで有益かもしれません。
例えば携帯電話料金。結婚すれば、家庭内で最低でも2台の携帯電話を持つことになりますが、このような生活のうえで絶対に必要になるコストについてのお互いの価値観もある程度すり合わせておく必要があるでしょう。家族割引を活用するのか、格安スマホに乗り換えるのかなど、携帯電話一つとってもそれぞれの考え方は違うはずです。
政治の要諦は「国民から見て当たり前のこと」を実行していくこと
ちなみに、日本では家計の支出に占める通信費の割合が、海外の主要各国と比べても高く、OECD加盟国37カ国中でもかなり上位の水準との統計もあります。
私は2018年8月に「日本の携帯電話料金は高い。今より4割下げられる」と表明して以来、大手3社の合計シェア9割という寡占状態が続く携帯電話の料金の見直しに取り組んできました。政府の役割は、事業者間で競争がしっかり働く仕組みを整備することだと考え、19年の通常国会で電気通信事業法を改正しました。
この改正により、利用者を「囲い込む」ための通信サービスと携帯端末のセット販売、いわゆる「4年縛り」や「2年縛り」を禁止しました。また、他社に乗り換える際に支払わされていた約1万円の違約金を1000円以下にするよう義務付けました。これらの措置により、携帯の端末料金と通話料・通信料の完全分離を徹底し、わかりづらい料金体系を透明化しました。
政治の要諦は「国民から見て当たり前のこと」を実行していくことだと常々考えてきました。世の中には当たり前ではない状態のまま放置されていることがたくさんあり、携帯電話料金もその中の一つです。
今や国民生活のライフラインである携帯電話は、ウィズコロナの生活様式においてさらに重要性を増すでしょう。利用者にとってわかりやすく納得できる料金・サービスの速やかな実現に引き続き取り組んでいきます。