老後を蝕む病気と処方箋

●急性消費熱
(PIXTA=写真)

【症状】退職金を受け取った直後に発症する。持ったことのない大金に接したことで、めまい、発熱などの症状が表れる。急に気が大きくなって高額の買い物や旅行を繰り返すため、老後資金が減少する後遺症が残る。

【処方箋】ある程度の金額を使うと急に目が覚めて自然治癒するが、そこまでのダメージが大きい。早期治療には、今後の人生計画にいくら資金が必要か自ら計算して現実の厳しさを認識する方法に効果がある。発症中に投資商品の営業員に会わせるのは厳禁。

●大黒柱症候群

【症状】家族に対する責任感が高揚し、子や孫に対する援助や干渉の度合いが上昇する症状が出る。子どもの独立を妨げるとともに、老後資金を減少させる弊害を伴う。子や孫を集めて旅行や会食を行い「費用は全部自分で持つ」と言い出すのもこの病気の兆候の1つ。

【処方箋】老後資金の残高を認識して無理な支出を思いとどまらせるのが効果的。子どもの自立を阻害する症状が表れた場合は、永遠に援助を続けられるわけではないことを本人と子双方が認識するのが改善の道。

(構成=有山典子 写真=PIXTA)
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