むしろ、今後が期待できるのは、災害時の連絡手段として活躍したツイッターやフェイスブックなどだ。
「もともとインターネットは、核戦争が起こった場合でも回線がつながるようにと開発された通信手段だから、非常時に強い。震災直後でも、ツイッターやフェイスブックを通じた情報発信が大いに役だったことから、SNSによるコミュニケーションの社会的意義も高まった。これらSNS関連企業には5年後のエースとなりうる企業がひしめいている。今から5年前にツイッターやフェイスブックの台頭を予測するのは困難だったように、次なるフェーズでは未知の企業がエース級に成長している可能性も高いだろう」(広木氏)
広木氏はすでにSNSの分野で主導権を握っている企業のさらなる成長にも期待する。同時に、「飛躍」という視点から以下の2社に注視しているという。
「リスク承知で若手にチャンスを与えて積極的に新分野を開拓しており、サイバーエージェントは5年後にビジネス領域をさらに拡大しそうだ。また、未上場ながら熱く注目しているのがカヤック。スマートフォン向けアプリなどを開発する企業だが、ユニークで斬新な経営で知られ、近い将来にIPO(新規株式公開)を果たす可能性もある」(広木氏)
大和証券を経て国内系・外資系資産運用会社に。農林中金全共連アセットマネジメント・チーフ・ファンドマネージャー、楽天投信投資顧問(運用部長)を歴任し、10年9月より現職。