天然ガスは、どうして「供給の安定性が高い」のか?

天然ガスの供給安定性を示す根拠の一つは、その埋蔵量の豊富さにあります。現在確認されている埋蔵量は200兆m3ほどといわれ、その可採年数は石油の3倍以上という推定もあります。化石燃料の埋蔵量や可採年数は、技術革新等によって変化するため、正確な予測は難しい側面もありますが、天然ガスについていえば、シェールガスをはじめとする「非在来型ガス」の商業生産がスタートしていることもあり、供給可能性は大きく向上しています。

また、供給の安定性でもう一つ押さえておくべきなのはその輸入先の多様性。中東への依存度が80%を超える石油と異なり、日本の天然ガスの輸入先は中東のほか、東南アジアやオセアニア、ロシアなどさまざまで、エネルギーセキュリティの観点からも重要なエネルギー源となっています。

日本における天然ガスの位置づけは、どう変化してきたのか?

日本が初めてLNGを輸入したのは1969年。その後、エネルギー資源の中で天然ガスが担う役割は着実に大きくなっています。具体的には、日本の1次エネルギー供給(電力や都市ガス等に転換前のエネルギー供給)の構成割合の変化などを見るとよく分かるでしょう。

図のとおり、1970年に全体の1.2%であった天然ガスの割合は、20年後の1990年に10%を突破。さらに20年後の2010年には19.2%に拡大しています。1980年代以降は石油偏重からの脱却、さらにその後は環境性重視の社会的要請などから、天然ガスへの期待が高まっているのです。

合わせて、東日本大震災以降は、電源別発電電力量に占める「天然ガス火力発電」の割合も大きく上昇。2010年度まで20年間近く20%台だったその割合は、2012年度、42.5%にまでなりました。