言葉だけでなく動作もポイント。待ち合わせ先で相手の姿が見えたら100メートル先から小走りで走り寄る。上司に呼ばれたら声だけで返事をするのではなく、立ち上がって上司のほうに行こうとする素振りを見せるなど、細かいテクニックはたくさんあります。

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ゴマすりのプロを目指すべし!

高等テクとしては、人間はだいたい自分と似ているものが好きですから、上司の服装や持ち物を真似するのも効果的です。上司がいつもワイシャツの袖を腕まくりをしていたら、自分も腕まくりをする。上司がノーネクタイなら自分もノーネクタイ。

「その格好、俺と似てるな」と言われたら、「ああ、そうですね。自分では気がつかなかったけど、憧れてると自然に似ちゃうのかな」みたいな独り言をボソッと言えればもう完璧です。

「仕事を一所懸命やって成果を挙げれば、ゴマをする必要はない」という反論もあるかもしれません。しかしカーネギーメロン大学で行われた研究によれば、どのような業種であれ、仕事が成功する要因は85%が良好な人間関係によるもので、残りの15%が仕事そのものの実力だという結果が出ています。

ちなみに僕は今まで200冊以上本を出していますが、文才なんか全然ない。ひたすら編集者にゴマをすって、いい関係を築くことに腐心してきただけ。この僕が言うのですから、「ゴマすり男は出世する」のは本当ですよ。

心理学者 内藤誼人
立正大学特任講師。アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。ビジネスシーンを中心に日常生活で実践できる心理学を研究。『「努力」が報われる人の心理学』など、著書多数。
(構成=長山清子)
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