今は「夏バテの期間」が長期化している

さて、そんな今津医師に改めて「病の予防的に補中益気湯を服用するのはどうか?」と聞いてみると、「保険診療では予防医学は認められていません。補中益気湯を予防医療に処方することは禁忌。やっちゃダメです」とばっさり。

補中益気湯
補中益気湯(写真=完全処方マニュアル/CC-BY-SA-3.0-migrated/Wikimedia Commons

だが私はいつも市販の漢方薬を購入して服用しているので、「それなら市販薬では?」と再度質問すると、「市販薬の購入は個人の自由です。ただし仮に副作用が起きても個人の責任ですよ」と厳しい答え。10年ほど前に今津医師を取材した際は、補中益気湯が夏バテの薬として使われていると聞いた気がするのだが……。

「本来医学的に夏バテという基準はないので、病院で体の不調を訴えても、治療の対象にはなりません。しかし暑さによって体への負担が増した結果、さまざまな機能が低下した状態になっています。確かに補中益気湯は別名“医王湯いおうとう”とも呼ばれ、医薬品の王様ともいわれました。それでも10人いたら10人に合うとは言えません。やはり診断が必要で、誰でも補中益気湯を飲めば夏バテに効くというのはありえません」