あえて「技術仕様に触れない」を選択した

こうした「技術仕様に触れない」新製品発表会は技術者、あるいは技術者出身の社長にとっては、とても想像できないでしょう。ですが技術者の良心、あるいは常識としては間違っていても、PR戦略としては正解なのです。一般の人には、「よくわからないけど、とにかくすごい発明である」ことは伝わりました。

この例は、技術系の企業であっても、一般の人たちに伝えるためのPRは技術者ではなく経営者(あるいは広報)が主導しなくてはいけないということも示しています。

さて発売時のPRを成功させた「Pepper」ですが、発表会の6年後の2020年には製造を停止していたことが報道されました。この報道を受けて、ソフトバンクは「一時的な」停止とコメントしましたが、現在まで製造再開は報じられていません。ヒット製品を生み出すには技術だけではなく、PRが欠かせません。ですが、PRだけでヒット製品は生み出せないという好例でしょう。