母親のような生き方をしたくない

【佐藤】日本に比べて韓国の若者たちは、政治に対して高い意識を持っているというイメージがあるかもしれません。確かに、かつてはそうだった。しかし、いまは韓国の若者たちは、政治的な話をほとんどしません。その理由は、ケンカになってしまうから。私の知り合いの韓国人青年は政治の話題になると「俺は日本人なんだ」とごまかすと言っていました。

少子化の一因である男女の分断に話を戻すと、10年代後半に韓国でも性犯罪被害の体験を告白する#MeToo運動が起こりました。いまはそのバックラッシュで、女性を敵視する男性が増えました。なかには「男性だけが兵役を課せられるのは不公平だ。産まないなら女性にも兵役を……」と不満を口にする男性もいます。

一方で、女性が大学に進学して、どんどん社会に進出し、キャリアを積むようになった。彼女たちは、家や夫、子どものために、たくさんのものを犠牲にして家事や育児に奔走した母親世代を見てきました。彼女たちは、母親のような生き方をしたくないと考えている。