アメリカ・ネバダ州の砂漠にある軍事施設「エリア51」。施設内でUFOやエイリアンを研究しているとの風説が広まっていたが、すべて国防総省・米軍が仕掛けた情報工作だったことが明らかになった。偽のUFO写真を地元に配布し、数百人の軍関係者に虚偽の情報を与えるなど、組織的な情報操作が2023年まで続いていたと米メディアは報じている――。
米「エリア51」に百人集結 2019(令和元)年9月20日、米ネバダ州
写真=ロイター/共同通信社
「エリア51」で開かれたイベントに集まる人たち=2019年9月20日、米ネバダ州

砂漠に横たわる“宇宙人研究所”

米ネバダ州ラスベガスの北東、砂漠地帯の只中に、エリア51は存在する。米空軍が所管するネリス試験訓練場のなかでも、とりわけ機密度の高い施設の通称だ。地図上のコード名「51」にちなんでこう呼ばれ、正式名をホーミー空港という。滑走路ほか数十の建造物を有し、さながら不毛地帯に突如現れた街のようだ。

立ち入りが厳しく制限されたこの軍事施設に、長年絶えない噂がある。宇宙から飛来し墜落したUFOを回収・分析し、または宇宙人を捕獲・研究しているという類いのものだ。米軍や米政府がこうした事実を隠蔽しているとの主張は、いわゆる陰謀論のレッテルを貼られながらも、1947年のロズウェル事件以来まことしやかに囁かれてきた。