パートはやりたいけど格好悪い仕事はイヤ?

【mucco】奥さんの話でいうと、藤川さんのご本に「パートに出たいけど、格好悪い仕事はイヤです!」という奥さんの話がでてきますよね。

【藤川】気持ちはわからないでもないですが、最初から決めてかかっている人は結局変われないんですよ。一方で部長さんの奥さんでも普通にファーストフード店で働いていたりしますが。そういう人は若い人たちと一緒に仕事ができて楽しい、とにかく前向きで、どんどん役職が上がっていくんです。

【mucco】モチベーションが高いから。

【藤川】そうです。ただのアルバイトじゃなくて働いた経験を持っているから、どんどん責任のある仕事を任されて、いわゆる見栄っ張りの奥さんがいやがる接客業ではなく、マネジメントレベルに上がっていく。自分が自分のチャンスをつくっているんですね。

【mucco】でも誰もがやりたがるような「格好いい仕事」は簡単に手に入らないのが現実です。

【藤川】そうですね。家計が苦しいからパートに出るのに、「格好いい仕事」を探している時点で危機感がないんです。

【mucco】家計が苦しくなってパートに出ようかなという話が出てくるきっかけはどういうところからですか? 

【藤川】教育費ですね、ほとんどが。

【mucco】お子さんを私立に入れたいとか?

【藤川】ええ。すでに住宅ローンを抱えていて、それでそこに子どもが私立に進学して、家計がマイナスになって、さあどうしましょうというタイミングで我々のところに来られる。旦那さんの収入は簡単に上がらないから、手としては車を手放しましょうかとか、奥さんもパートでも出ていただけたらこのぐらい変わりますよという話になります。家も買って、学校も念願の私立に入れて、その生活を維持するために働きに出るわけですが、それなのに意識が後ろ向きになるんですよね。

【mucco】でも、望んでいた生活を手に入れたなら、その後どう維持していくかを考えるのはあたりまえですよね。結婚みたいなもので……。

【藤川】そうですね。好きな人と結婚してそこで終わり、じゃなくてそこから始まるわけですからね。でもなかなかわかってもらえない。結局、家を買った、年収が上がった、子どもを私立に入れた、と「手に入れていく」ことしか考えない。足元を見ていないんです。年収にしても750万円になったら次は800万円、その次は900万円……ときりがない。

【mucco】私たち夫婦もかつてはそうでしたが、仕事での評価してくれるのは年収しかないと思って頑張っている人は多いでしょう。でも手に入れることにしがみついてしまうと、体を壊したり、人によっては家庭生活が崩壊したり、本当に大切なことを失いかねません。買うことだけで満足しがちな買い物好きにも似たようなところはあるかもしれません。

【藤川】それで満足するというのに慣れちゃった人というのは、ほんとうに大変ですよね。脳みそというのはだんだん刺激に反応しなくなってくるので。