お金を使うことだけが贅沢ではない

【mucco】私たち夫婦には子どもがいないため、「ケチケチ贅沢」はそういう環境だからできるんじゃないの? といわれることがあります。でも、子どもがいてもいなくても、そういう考え方で生活することはできると思いますが、いかがでしょう。

【藤川】当然できると思いますよ。ケチケチ贅沢っていろんなやり方があると思うんですよ。普段、ものすごいケチでコツコツお金を貯めて、でも自分たちのやりたいことには思い切ってお金を使うという人もいます。例えばうちのご近所に毎年海外旅行に行くご家族がいますけど、普通のサラリーマン家庭です。

【mucco】自分たちにとって何が1番楽しくて、幸せを感じるかというものがわかれば、どこでケチケチしたらいいかわかりますよね。海外旅行は行かないけれど、週末家族みんなでドライブに行くのが何よりも楽しいという家族であれば、車は絶対必要ですよね。そこにお母さんのつくったお弁当があれば最高に幸せ、という人たちにとっては外食費を削ることはそんなに苦にならないはずです。どこが自分たちにとって幸せか、楽しいかというところがわかっていないと、よそがやっているからうちも、という話になってきりがない。

【藤川】何とかちゃんはどこそこに行ったんだって、言われると、やっぱり親としては行かないわけにはいかない、とか。

【mucco】本当にディズニーランドに行きたいのであれば、「じゃあこれは必要ないよね」と子どもに言えますよね。こっちとあっちとどちらが大切か、という理屈は子どもでもわかると思うんです。

【藤川】そうそう。何かを得たいなら、何かを捨てる。私は子どもたちからケチと言われるけど、結局君たちを学校に行かせるためなんだという話をしています。「学校行けなくていいんだったら。買うよ」って。そうしたらたいてい「じゃあいらない~」となります。

【mucco】子供にもお金の話はちゃんとしたほうがいいと思います。

【藤川】もう1つの重要なのは、「贅沢=お金を使うこと」ではない、ということです。家族でお弁当を持って公園へ遊びに行って楽しく過ごす1日は、実はものすごい贅沢です。お金を使わなくても贅沢な空間で、贅沢な時間を過ごすことは可能なんです。

【mucco】たしかにそうですね。私の家の近くにも近所に大きな公園があって、週末は家族連れでにぎわっています。

【藤川】時間と空間と使えば、お金は使わなくてもリッチに過ごせる。