寺田倉庫の社長として天王洲エリアをアートの街に変身させるなど大胆な手法で多くの企業を再生してきた中野善壽氏。給与も受け取らず、余ったお金はすべて人や社会に寄付し、家も持たないという。そんな「すべてを捨てて、豊かになる」人生哲学について聞いた。
捨てる生き方1
他人から見た成功には意味がない
自分の軸に従って自由に生きる

タンポポの綿毛のような自由な生き方が理想

お金をたくさん持っていると幸せなのか、それとも不幸せなのか。

金銭哲学の永遠のテーマですが、約80年の人生を送ってきた私の答えは、すでに決まっています。有り余るお金は、人間を不幸にします。「必要最低限の生活費だけを残して、あとは喜捨する」のがよいでしょう。私のような後期高齢者だけでなく、現役世代のビジネスパーソンとて同じこと。むしろ「足るを知る生き方」を、早く身につけたほうが得策でしょう。そうすれば、若い人ほど、長い人生を豊かで、幸せに過ごせるのではないかと思います。

捨てるべきものは、お金ばかりではありません。人生を送っていると、余計なものがたくさん付随してきます。私に言わせれば、なくてもいいものばかりです。家や車、時計、ファッションなど、所有しなくても生きていけるものが多い。キャリアや肩書、人間関係のしがらみなども必要ありません。そうした一切合切を「捨てる生き方」を、私はお勧めしたいのです。