最上の守りは変身しながら攻めること

彼はさらにひとつ、負けを極小化するためにやるべきことがあるという。

「守る、防ぐための策は攻めることです。攻めて、稼いで、貯金を作る。そうして、多少の負けにも耐えられる体力をつけておく。伊藤忠の繊維事業はそういう歴史をたどってきたわけです。負けたけれど、負けているうちに攻めることを考えた。

もともと、伊藤忠の繊維事業は羊毛のような原料を輸入する川上分野、繊維製品を輸出する川中分野が強かった。ライバル商社に比べても、圧倒的に強い基盤を持っていた。羊毛なんか世界一の売り上げだった。ところが、この両分野の商売が、時代が進んでだんだんおかしくなってきた。