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年齢別女子サッカー選手数の推移

中学・高校に上がると、男女の違いが顕著になってきます。成長期には、パフォーマンスが落ちたという感覚に陥りがちです。男女で同じものを食べても筋肉がつく男子のからだに対し、女子のからだは脂肪をつくろうとします。身体が重くなり、怪我をしていないのに以前ほど走れなくなったと思い込んでしまうからです。

お父さんは、「今は成長期だから気にしないで」ぐらいは言ってあげていいと思います。ただ、異性ですから言いづらい点もありますし、変に立ち入らずにやりたいことをやらせてあげるといいと思います。トップ選手の親御さんは、優しく見守る方が多いのです。

男子サッカーの記者が女子サッカーを取材すると、「女子選手は礼儀正しく、しっかりしてる」とよく言います。それは、なでしこリーグの選手の多くが企業で働いているので社会性が身についているのでしょう。そして、スポンサーの方と一緒にいる機会も多いから、「支えてもらっている」「皆のために勝ちたい」という意識がすごく強いんです。

安藤梢選手(ドイツ・デュイスブルク)は、その代表格でしょう。プレーしているドイツ駐在の日本企業の奥様方のサポートも得て後援会を組織してもらい、地元のデュッセルドルフなどを自ら回ってスポンサーを見つけるほどです。

彼女は、中学のときも成績は学年トップクラス。高校生でW杯に出た際も、勉強道具を持参していたといいます。岩渕真奈(日テレ・ベレーザ)選手もドイツW杯では最年少の大学1年生でしたが、現地でリポートを書いていました。

これまで女子サッカー選手は苦労していると報道されてきましたが、実際にはサッカーライフを楽しんでいる選手ばかりです。今も昔も、彼女たちはサッカーも勉強や仕事も真摯に取り組んでいます。引退後も、指導者や教員になったり、クラブチームのスタッフ、大学院を出て電通に入社した人もいます。勤勉で、共感する力の高い日本の女性は「サッカーに向いている」と、なでしこの佐々木(則夫)監督も言っています。サッカーを始めたいという娘さんがいたら、ぜひ勧めてください。

ライター 
砂坂美紀

1975年生まれ。慶應義塾大学在学中より女子サッカーを取材。『なでしこゴール! 女子のためのサッカーの本』(共著)。
(構成=西川修一 撮影=小原孝博)
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