かつて世界のトップを走っていた日本の通信産業に異変が生じている。ネットワーク品質低下の舞台裏では何が起こっているのか、スマホジャーナリストの石川温氏が解説する──。

「現場レベルの危機感が幹部に伝わらない」「ドコモがつながらない」

そんな書き込みが2023年春頃からSNSで散見されるようになりました。2年が経ったいまでも相変わらずつながらないところが多く見られます。

とくに、通勤中の電車内やターミナル駅など、人が多いところで電波がつながらないとの指摘が目立ちます。「全国津々浦々、つながりやすさといえばドコモ」。かつてのドコモはこのように評されていました。しかし、いまとなってはKDDIはおろか、長年「つながりにくい」と酷評されていたソフトバンクよりもドコモのネットワーク品質が低いといわれています。

品質低下が指摘され始めた当初、ドコモは専門メディアに対して「コロナ禍が落ち着き、都心部に人流が復活した影響が大きい」と理由を説明していました。