1.年金の全体像 なぜ保険料と年金額は毎年変わる?

年を重ねるごとに「はたして自分は老後にいくらもらえるのだろう?」と、だんだん公的年金制度を意識するようになる人もいるはずです。年金は老後に働けなくなったときにもらうイメージが強いかもしれませんが、それだけに特化した制度ではありません。家族を養う担い手が亡くなったときに受け取れる遺族年金、病気やケガをした際に受け取れる障害年金も生活を保障してくれる大事な制度です。公的年金は3大リスクに備えたセーフティネットと言えます。

それらのリスクに対して、個人ではなく社会全体で備えるというのが公的年金の根本にある発想です。あくまでも「払う」と「受け取る」がワンセット。払わずしてもらうことは原則ありません。年金の財源は保険料と国庫負担、積立金で成り立っています。現役時代に払った保険料を積み立て、老後に受け取る「積み立て方式」ではなく、高齢者世代の年金給付をその時点の現役世代からの保険収入で賄う「賦課方式」が採用されています。