今回の万博で「一見の価値アリ」なもの
では、今回の万博はどうか。一見すると、宗教色はあまり感じられない。強いていえば、「イタリアパビリオン」の中で展開する「バチカンパビリオン」が、カトリックの世界観を伝えていた。
バチカンパビリオンのテーマは「美は希望をもたらす」。パビリオンのロゴはサン・ピエトロ大聖堂と日本の太陽を融合したもので、キリストを「世界の光」として表現したものという。
出色は、バロック時代の巨匠カラヴァッジョ(1571~1610)の宗教画の名作「キリストの埋葬」の展示だ。実は筆者は本作品を見るためだけに、7500円(1日券)のチケットを買って万博を訪れる価値はあると思っている。描かれているのは処刑されたイエス・キリストが十字架から下され、墓石の上に置かれようとしているシーン。イエスの生々しい肉体と、嘆き悲しむ聖母マリアらが、光と影を強調した画法で実にリアルに描かれている。信仰心に関係なく、純粋に一級品アートとして鑑賞できる(メディアデーはパビリオンが工事中で、残念ながら「一切、お見せすることはできない」と頑なに拒まれてしまった)。
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