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(C)拡散性因子が高い人/(D)保全性因子が高い人

Cの「拡散性」因子が高い人は、今の状態を変えようとする「攻めの人」です。自分を拡張し、発展させようとする傾向が強く、活動的、創造的、積極的な行動が特徴です。移動遊牧民を特徴づける因子とされており、遺伝的に決定されている要素が強いものです。

人の注目の対象になることを好み、自分をよく見せたいという気持ちが強いのが特徴。要は目立ちたがりということです。細かいことにはこだわらず、「とにかく」「まぁいいか」が口ぐせです。

Dの「保全性」因子が高く出た人は、現状を維持しようとする「守りの人」。現状維持のために、自分のエネルギーの損失が最も少なくて済む方法を選択しようとする傾向が強いのが特徴です。農耕定住民を特徴づけており、遺伝的に決定される要素が強い因子です。日本人の約65%は、保全性因子のポイントが拡散性因子よりも高いことがわかっています。

協調性、順応性が高く、几帳面で、1つのことを始めると根気よく続けることが多いでしょう。人によく思われたいという気持ちが強いほか、安全性や安心感を重視し、無難で損をしそうにない選択肢を選びがちです。

パワハラ、セクハラ脅迫文書……

次に、ディストレス状態になると、これら4つの因子がどのように影響するのかを見ていきます。先ほどの自己診断で、ストレス(S)の合計が0~3点と15~20点の人はディストレス状態です。

凝縮性因子が強い人の場合は、普段の指導性の高さが、独善的という負の特性として表れます。例えば、いつも周りから尊敬されている部長が、自分の価値観を否定されたり、降格などで指導力を発揮できない環境に置かれたりするとどうなるか。支配的、排他的な行動をとることで、相手を自分の価値観のもとに抑え込もうとします。権威や権力を振りかざしてパワハラやセクハラ行為をすることもあるでしょう。自分の価値観を懇々と訴えながら怒鳴るのも、このタイプに多く見られます。