脚がすぐに疲れてしまう場合、改善するにはどうしたらいいのか。ストレッチトレーナーのきまたりょうさんは、「脚が疲れやすい、つまづきやすい人がガチガチになっている身体の部位がある。まずは身体の構造を理解し、自宅で簡単にできるゆるめるケアと伸ばすケアを取り入れてみよう」という――。

※本稿は、きまたりょう『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』(KADOKAWA)の一部を再編集、一部を書きおろししたものです。

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写真=iStock.com/key05
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脚が疲れやすい・すぐつまづく人は股関節が影響している

身体には、多数の筋肉のつながりがありますが、ここでは「股関節」に関する筋肉のつながりと、それをケアする重要性と方法についてご紹介します。

股関節は様々な筋肉と関わっており、特に脚がすぐ疲れたり、つまづきやすくなったりしている方は特に知っておく必要があるでしょう。

ストレッチや筋膜リリースをする際に、「こういうつながりがある」と少し意識しながらケアしていただくだけでも、効果が違ってきますので、ぜひご参考にしてください。

まず、股関節の構造について、ご紹介します。

股関節の外側には3つの外転筋があります。全て「脚を横に上げる」のは共通していますが、部位によって働きが若干異なります。

前側にある筋肉は脚を内にひねり、後ろにある筋肉は外にひねります。スポーツのトレーニングなどで、ひざの向きが重要なのはこのような機能による違いがあるからです。

股関節の外転筋(脚を横に上げる筋肉)は骨盤の外側全体を覆っています。

そのため、骨盤を前傾・後傾のどちらにも引っ張る可能性があります。

1つの指標として大転子より前にある外転筋と「前のつながり」は骨盤を前傾させ、後ろにある外転筋と「後ろのつながり」は骨盤を後傾させます。