転勤先には、佐渡島、淡路島、奄美大島、石垣島もある
日本は小さい国のようにいわれたりもしますが、都道府県だけでもかなりの数になるうえに、支部まで入れると任地の行き先というのは前記のとおり相当多くなります。場所も地方というか田舎というようなところもあるし、東京や大阪と比べるとだいぶ生活ぶり、私生活の方も変わってくるでしょう。任地の多様さを思わざるをえません。家族も同様に、任地の多様さに順応していく必要があります。うまくいかないと配偶者の希望で単身赴任あるいは裁判官を辞めなければならないみたいなことになります。
地裁の支部というとかなりの地方都市にもあるということをすでに述べましたけれども、島にもあります。たとえば佐渡島、淡路島、奄美大島とか石垣島にもあります。遊びで石垣島に行く分には楽しいだけで終わるかもしれないけれど、そこの裁判官に異動し引っ越したとなると、それと同じ感覚ではいかないでしょう。やはり不便なことも多くなるし、遊びにしても限られてしまうでしょう。仕事としても面白くないかもしれません。裁判所は、離島にもあるというところが異動を考えるうえでもだいぶ違います。
豪雪地帯に行くかどうかもかなり大きな問題
もちろん他の会社でも転勤がありますし、中央官庁でも同様です。ただ、島にまで任地があるかどうかというと、必ずしもそうではないだろうと思います。そこは裁判の仕事の特殊性で、日本国民全員に裁判を受ける権利を公平に認めなければならないという観点から、離島であっても人口の少ない町であっても置いてあるわけです。裁判所までの往復の時間なども考えてなるべく公平になるようにしているそうですが、それにしても離島にもあるというのは他の官庁ではちょっとないかもしれないですね。
日本は南北に長いし、山間部も海辺も島もあるわけで、気候もだいぶ違います。今は地球温暖化が進んでますが、寒い北海道と東京あるいは九州などを比べると気候もだいぶ違いますね。新潟や山陰あたりを中心に豪雪地帯があります。
あのあたりは世界的に見ても豪雪地帯だと思いますけれども、そういうところに行くかどうかというのもかなり大きな問題です。裁判官官舎の屋根に豪雪地帯だからといって電気で雪を融かして落とすという装置をつけたのはいいけれども、電気代(金額は知りませんが)は裁判官個人持ちだというので、お金がかかるから使ってないという話を聞いたことがあります。それは東京に勤務している裁判官には関係ない、予想もつかないことかもしれませんが。そういう気候差が大きいということも知る必要があります。