「モノ」なき時代の申し子

ヨーカドーの前身である「羊華堂洋品店」は1920年、東京・浅草に誕生している。創業者は吉川敏雄で、後にヨーカドーを立ち上げる伊藤雅俊の叔父にあたる人物。太平洋戦争ののち、この洋品店を引き継ぐ形で、雅俊は足立区・千住で羊華堂の事業を再開する。

太平洋戦争後の1948年に法人化して、1965年に株式会社・伊藤ヨーカ堂を設立。1971年に、店名をイトーヨーカ堂とする。折しも日本は高度経済成長期の只中にあり、その中でヨーカドーは出店攻勢を続け、大きく営業を拡大していく。1970年代には業務提携に積極的に動き、日本各地のスーパーと手を組む。こうした提携を通して、特に関東、東北、北海道にその店舗を集中させていくやり方で成長を重ねていった。