遊郭と城郭の共通点

「遊郭(遊廓)」と「城郭」。2つの名称を並べてみれば、両者に共通点があるのは一目瞭然だろう。むろん、表記が似ているのは偶然ではない。

「郭(廓)」は「くるわ」と読み、「曲輪」という表記もある。城に興味がある人はわかると思うが、「曲輪(郭)」とは城のなかに造成され、削平さくへいして周囲と区別された平坦な区画のことを指す。それらは中世には土塁や空堀、切岸(人口の崖)で、近世になってからは石垣や水堀で囲まれることが多かった。

歌川広重作『江戸高名会亭尽』より、新吉原衣紋坂日本堤
歌川広重作『江戸高名会亭尽』より、新吉原衣紋坂日本堤(写真=ホノルル美術館/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

本丸、二の丸、三の丸といえば、聞いたことがない人はいないと思う。そのいずれも曲輪である。近世になると「丸」をつけて呼ばれることが多くなったのだが、相変わらず「曲輪(郭)」という表記ももちいられたし、意味はまったく変わらない(曲輪、郭、廓はいずれも同じ意味だが、以下、混乱を避けるために「郭」に統一して表記する)。