『グレートフルデッドにマーケティングを学ぶ』D・M・スコット、B・ハリガン/日経BP社
ライブは録音OK、コピーし放題。40年前からフリーもシェアも実践し大きな収益を上げていた米国のバンドがいた。その活動はビジネスヒントの宝庫だ。

『ゼロ年代の想像力』宇野常寛/ハヤカワ文庫
1990年代の若者は自分の決断が他者を傷つけることを恐れてひきこもったが、2000年代の若者は自ら決断し始めている。時代を読み解くサブカル評論。

『小商いのすすめ』平川克美/ミシマ社
大震災以降の個人・社会のあり方とは何か?「拡大しつづける経済」は存在せず「縮小均衡」という新たなステージを迎えるとする国民経済復興論。

『世界がわかる宗教社会学入門』橋爪大三郎/ちくま文庫
宗教がわかると国際情勢がよく理解できる。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教の世界4大宗教の発生と変遷を「高校生を相手にするつもりで」解説。

『大学生物学の教科書』D・サダヴァほか/講談社
米国の大学で使われる世界基準の生物学の教科書。図が豊富でわかりやすい。「人が知らない分野の知識が仕事の幅になる。あえて文系の人に勧めます」。

『物理学対話』砂川重信/河出書房新社
古典力学、電磁気学、相対性理論、量子力学の基本となる考え方を系統的に解説した名著。対話形式のため読み物としても楽しく、物理学の真髄が理解できる。

『美術の物語』E・H・ゴンブリッチ/ファイドン
原始の洞窟壁画から現代の実験的な芸術まで、美術の歴史を論じた入門書。過去から現在に連なるひとつづきの物語のように美術史を描き出している。

『京都の平熱』鷲田清一/講談社
路線バスで巡る「ぶらり途中下車の旅・京都バス版」のような一冊。哲学者らしい京都分析も知的好奇心を満たしてくれる。仕事に疲れたときの現実逃避用に。

『なめくじ艦隊』古今亭志ん生/ちくま文庫
5代目古今亭志ん生が、なめくじが出る「なめくじ長屋」での赤貧生活を中心に、洒脱な口調で抱腹絶倒の半生を語る。煮詰まったときの“抜き系”の本。

『ご冗談でしょう、ファインマンさん』R・P・ファインマン/岩波現代文庫
好奇心いっぱいのノーベル賞物理学者が、自身の常識破りの人生をユーモラスに語る。「ここまでキテレツな人でも大丈夫なんだ、と安心できます(笑)」。

博報堂ケトル代表 
嶋 浩一郎
(しま・こういちろう)
1968年生まれ。上智大学法学部卒業後、93年、博報堂入社。2006年、博報堂ケトルを設立。著書は『企画力』ほか。
(構成=斎藤栄一郎 撮影=向井渉)
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