怒号を飛ばす記者は「悪い警官」の法則に当てはまるのか

――今回、記者席から怒りの声が出ました。しかし、「不規則な発言をするとか怒号を飛ばすということが、会見に必要な場合がある」(「The HEADLINE」の石田健氏)という意見もあります。いわゆる「良い警官、悪い警官」の法則のように、怒りをあらわにする記者がいて、一方で相手の話を優しく聞くということは、有効なのでしょうか?

【白戸】私も記者時代、会見で「何を隠しているんですか、人として恥ずかしいとは思わないんですか」と言ったことがありますよ(笑)。もし今回、記者たちが大声で迫ったことで、経営陣から何かしらの事実を引き出せたのなら、結果的には有効だったということになりますね。ただ、通常、情報が出てこない場合の方が多いと思います。

フジテレビ報道部の記者も経営陣に厳しい質問を投げかけた
撮影=プレジデントオンライン編集部
フジテレビ報道局からも経営陣に厳しい質問が投げかけられた

マイクを持って説教を始める記者は、嫌われても仕方ない

――開口一番ポジショントークをして、「私は長年テレビ局の報道にいたけれど、その私から見て、社長たちは何やっているんですか」というように上から目線で叱り出す人も数名いました。60歳以上の男性ばかりでした。

【白戸】質問をすると言ってマイクを持ちながら持論を展開するパターンですね。たしかに高齢の男性に多い振る舞いです。今風に言えば「マウントを取っている」わけですが、会見の目的は相手に説教することではなく、できるだけ事実を明らかにしてもらうことなので、そういう聞き方が効果的かというと、私はあまり効果的だとは思わない。一般の人がそういう記者に対して嫌悪感を抱くというのは、まっとうな感覚じゃないかなと思います。