帰り道での気まずい鉢合わせ

セミナーなどの帰り道、たまたま顔見知りの人と帰る方向が一緒になってしまうのはよくあること。今後も親交を深めていきたい相手や楽しく会話できる方なら問題はありませんが、中には「一人のほうがまし」と思ってしまう相手もいるでしょう。

気づかないふりをすることもできますが、それもどことなく気まずいものです。「見て見ぬふり」以外で、もっとスマートな対応ができればいいですよね。

私のおすすめは、「あなたを待たせてしまうと悪いので」という気遣いのスタンスで別行動する旨を伝えること。

「すみません、一本電話を入れてから行きますので、お先にどうぞ」

と言われたら、顔見知り程度の関係なら「待っていますよ」とはならないはず。

狙い通り、「そうですか、ではお先に。今日はありがとうございました」と先に行ってくれるでしょう。

ただ、ひとつ注意したいことがあります。

それは共有できてしまう理由は使わないということ。たとえば、次のような理由だとどうなるでしょうか?

相手「○○駅までですか?」
あなた「ええ」
相手「同じ方向ですね」
あなた「ちょっとコンビニに寄って行きますので……」
相手「あ、私も飲み物買いたいのでご一緒します!」

こうなると、回避するどころか気まずい時間がさらに増えてしまう可能性があります。

その点、メールや電話、誰かと待ち合わせなどは、相手と共有できない理由になるため、言われた側も「ではお先に」となりやすいのです。

ロビーを歩くビジネスパーソン
写真=iStock.com/sanjeri
※写真はイメージです

電車で遭遇してしまったら

では、身動きがとれない電車の中で会ってしまったときはどうすればよいでしょうか?

ここでは、前項でお伝えした「歓迎」と「牽制」の戦略を使います。

「あ、こんばんは。お疲れさまです」など(歓迎)+「メールを何本か入れなければならないので」「今日中に仕上げなければならない○○があるので」と、スマホやパソコンの作業を理由にして、十分に会話ができない状態だということを伝えておきましょう(牽制)。

ちなみに、定番ですが去り際にこんなひと言を付け加えると、あなたの好感度が上がります。

「お会いできてよかったです。また機会がありましたらよろしくお願いいたします」

イヤイヤご一緒しているという空気が伝わると、相手に不快感や罪悪感を与えてしまいます。相手を傷つけないのが第一です。

「共有できない理由」を使って自然と距離を置く。そんな「ずるい」選択をしたいものです。