村上と岡本の予想成績
大谷翔平の後からMLBに渡った4人の打者はいずれもメジャー契約で、大型年俸を獲得しているが、彼らは現時点では誰もMLB球団の期待に応えていない。筒香、秋山はすでにNPBに復帰している。
これらの打者のNPBとMLBの減少率を平均すると、打率は88.9%。本塁打は52.4%、OPSは84.3%になる。
この数字を、村上宗隆、岡本和真の過去3年の成績の平均に当てはめることで、MLBでの2人の成績をある程度予想することができる。
日米の打数を揃えて打撃成績をはじき出すとこうなる(図表2)。
ここ2年のNPBは異常な「投高打低」が続いている。これをベースにしたので2人のMLBでの打率は.250を割り込んでいる。もう少し上がる可能性はあるだろう。ただ、MLBでは打率は重視されていない。むしろOPSが重視される。0.700~ならレギュラークラス、0.800を超えれば中軸クラスと言われる。
その点では、岡本も村上もMLBで通用するレベルではある。しかし大谷翔平のように本塁打王争いをするような選手ではない。
問題なのは、岡本も村上も内野手だと言うことだ。ともに一、三塁を守るが、NPB出身でMLBの三塁手が務まった選手は、過去にはいない。岩村明憲や川﨑宗則、筒香嘉智が少しだけ守っただけだ。
日本人投手は○だけど日本人野手は×
イレギュラーの少ない人工芝の内野での守備に慣れたNPBの内野手は、天然芝、土のグラウンドのMLBでは通用しないのが定説だ。だとすれば、一塁またはDHというになるが、吉田正尚同様「この打撃成績で一塁、DHは荷が重い」ということになりかねない。恐らく2人とも外野手としても起用されるだろう。下手をすれば守るところがない可能性もある。
ちなみに、岡本、村上の契約においても、吉田正尚や鈴木誠也の契約と比較して年数、金額ともに「小型化」すると思われる。
大谷翔平が周囲の期待をはるかに上回る成績を出し続けたことで、大谷以後の選手の多くは投打ともに大型契約を結んでいる。大谷によって日米の交換レートが「上がった」と言える。
投手はその期待にたがわず結果を出しているので、以後も大型契約が見込まれるが、打者はほとんどが厳しい結果となっている。つまり交換レートが下がる状態になっているので、岡本と村上の契約は、それほど大きなものではないはずだ。
そんな中、大谷以後の日本人野手で少し期待を持たせる成績を残している選手がいる。カブスの鈴木誠也だ。