大好評だった朝ドラ「虎に翼」。作家・山内マリコさんは、ドラマが「法と平等」の意識を日本人に喚起したと語る。
エキストラの演出に制作側の気合を感じた
私はNHKの朝ドラ(連続テレビ小説)は毎回チェックしているクチなのですが、「虎に翼」は第1週で、「これはすごい傑作になるかも⁉」という予感がしました。
まず惹き込まれたのは、エキストラの演出です。朝ドラとしては珍しくオープンセットで引きの画があって、街の人たちの姿が映り込んでいました。主人公の寅子は比較的裕福な上流家庭の娘で、彼女だけを描いたら、恵まれた特別な子の話になってしまう。ところがその背景に、男の子にいじめられてトボトボ歩く女の子や、行李を担ぐ行商のおばあさんの疲れ切った姿などが溶け込んでいるんです。
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