2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。大河ドラマ部門の第3位は――。
▼第1位 藤原道長憎しのあまり、暴走し自滅した…ギリギリまで道長を追い詰めた定子の兄・伊周が迎えたあっけない最期
▼第2位 NHK大河はこの史実をどう描くのか…まだ幼い「定子の息子」に対して藤原道長が行ったひどすぎる仕打ち
▼第3位 NHK大河ドラマを信じてはいけない…紫式部の娘・賢子が異例の大出世を遂げた本当の理由
▼第4位 NHK大河でどこまで描写できるか…失禁と下痢が止まらず、娘・彰子も近づけなかった藤原道長の凄絶な最期
▼第5位 藤原道長にいいように利用され、最後は天皇の座を奪われた…2人の中宮を持った一条天皇が迎えた悲しい最期
紫式部の娘が藤原道長の子として描かれる理由
第26回「いけにえの姫」(6月30日放送)で、石山寺(滋賀県大津市)を訪問したまひろ(吉高由里子、紫式部のこと)は、藤原道長(柄本佑)とばったり会う。続く第27回「宿縁の命」(7月14日放送)では、2人のラブシーンが描かれ、それを受けて、まひろは女児を出産した。NHK大河ドラマ「光る君へ」の話である。
子は身ごもったものの、妊娠したのが、夫の藤原宣孝(佐々木蔵之介)がまひろに会いに来なかった時期に該当するので、必然的に道長の子ということになる。まひろは悩んだ末に、宣孝に離縁を切り出す。
それに対して宣孝は、「そなたの産む子はだれの子でもわしの子だ」「わしのお前への思いは、そのようなことでは揺るぎはせぬ」などと、度量の大きな言葉を並べた。しかも、宣孝は「その子をいつくしんで育てれば、左大臣様(註・道長)はますますわしを大事にしてくださる」とまで発言したから、子供のほんとうの父親がだれなのか、最初から宣孝は認識しているという設定である。
たしかに、まひろがこれから執筆することになる『源氏物語』では、不義の子が大きなテーマのひとつになっている。たとえば、主人公の光源氏と、彼の憧れの的であった藤壺中宮とのあいだに産まれた子が、桐壺帝の子として冷泉帝になる。
おそらく脚本家は、これから書かれる『源氏物語』の内容が、まひろの実体験と重なるようにしたいのだろう。