厳しい質問に答える準備をしておこう
職歴における空白期間など履歴書の「傷」についての質問にどう答えればよいかは、多くの人が悩むところだ。この場合も鍵は事前準備にある。こうした厳しい質問に対する答えは、1つだけでは足りない。リーズは3つの防衛線を用意しておくことを勧める。まず、あまり細かい点には触れない簡単明瞭な答え。それから、面接官が深く聞いてきてもきちんと答えられるよう、追加の答えを2つ用意しておく。
たとえば、大学を中退して必要な学位を取っていない場合には、まず「すぐに仕事の世界に入るほうがよいと思ったからです」というような答えを用意しておこう。面接官がさらに質問した場合には、もっと詳しく、たとえば「この件については慎重に考えました。中退したらマイナスのイメージを持たれることになるのはわかっていましたが、仕事をするなかで学べることのほうが多いと思ったのです」というふうに答える用意をしておこう。「要は、気の利いた答えが見つからず途方にくれる状態に追い込まれないようにすることだ」と、リーズは言う。
準備を十分積んだとしても、面接がどのように進むかを正確に予測することはできない。「入室したらレーダーを働かせる必要がある。優れた候補者は、状況に合わせてパフォーマンスを微調整するすべを知っている」と、リーズは助言する。また「多くの面接官は、候補者に話させるより自分が話すほうが好きなので、その場合は黙って聞くべきだ」とも言う。
面接官があまり関心を示さないとか、質問の言葉に詰まってしまった場合は焦ってはいけない。
「そんなことをしたら間違いなく不合格になる」と、リーズは言う。くよくよせずに今の瞬間に集中しよう。「今の質問が最初の質問であるかのように、その質問に答えることに集中しよう」と、リーズは言う。状況を認識することによって、会話の方向を変えるという方法もある。「そちらが求めておられるものをお示しできていないような気がするのですが」というようなことを言って、面接官の出方を見てもよい。
「重要なことは、事態をさらに悪化させないことだ」と、リーズはアドバイスする。