ほとんどの人は準備不足である!

面接前の準備が大切だとはわかっていても、十分準備している人はめったにいないと、フェルナンデス・アラオスもリーズも口をそろえる。

「準備にはどれだけ時間と労力をかけてもかけすぎということはない。その会社についてできるだけ多くのことを調べておく必要がある。会社の組織構成や文化、関連産業の動向についてはもちろん、面接官の人となりについても情報を得ておくのが望ましい」と、フェルナンデス・アラオスは言う。

彼はさらに、具体的な職務内容についても調べておくようアドバイスする。そうすれば、その職務をこなすのに必要な資質が自分にあることを具体的に説明することができる。面接室に入る前に、面接官に伝えたい3つないし4つのメッセージを決めておこう。これらは「自分のこれまでの実績と、応募した会社のそのポジションで成功するために本当に必要な資質とのつながりを示す」ものでなければならないと、フェルナンデス・アラオスは主張する。

リーズはそれに付け加えて、メッセージを伝える最善の方法は、物語形式にし、しかもそれを事前に下書きすることだと言う。「人は証拠やデータより物語にはるかに強く引き込まれるものだ」。物語は簡潔で興味深いものでなければならない。冒頭に興味をかきたてるセンテンスを持ってこよう。たとえば、「私が会社を救ったときのことをお話ししましょう」というようなセンテンスである。それから、その物語を完全に自分のものにしよう。途中で言葉に詰まったり、ロボットのように抑揚のない話し方になったりせずに物語を伝えられるよう、どのように始まり、どのように終わるかを頭に刻み込もう。そして、可能なときはいつでも、面接官の質問に物語を使って答えよう。