書類選考や筆記試験を突破し、いよいよ面接というとき、いまどきの面接官はどこを見るのか? 第一印象から面接中の振る舞いまで、最新のマニュアルを紹介する。
なぜ求職者が主導権を握るのが難しいのか
心から望んでいるポジションの採用面接が決まった。自分を印象づけるチャンスは1度しかないが、具体的にどうすれば際立った印象を与えられるのかわからない。相反するアドバイスがあふれ、ルールが変化しているなかで、どのように準備をし、どう振る舞えばよいのかについて混乱するのは無理もない。
よくあるアドバイスの1つに、面接の「主導権を握れ」というものがある。キャリア戦略の専門家で、『The Interview Expert: How to Get the Job You Want』や『Job Interviews: Top Answers to Tough Questions』の著者としても知られるジョン・リーズは、このアドバイスは語弊があると言う。「実際は面接官が主導権を握る。求職者のやるべきことは、面接官をできるだけ手助けすることだ」。
エゴンゼンダーインターナショナルのシニア・アドバイザーで『Great People Decisions』( 邦訳『人選力』)の著者、クラウディオ・フェルナンデス・アラオスも、この考えに賛成する。「求職者は面接官が正しい判断をする手助けをする必要がある」。就職コンサルタントとしての26年のキャリアのなかで2万人以上の求職者を面接してきたフェルナンデス・アラオスによれば、ほとんどの面接官は無意識の先入観にとらわれて、能力よりも経験に関心を集中しすぎる。そうした展開にならないようにすることだ。